つくばに行ってきたよ!オフレコもあるので書けるところだけ

2014年7月19日 茨城コンテンツ文化史学会例会
「アイドルの現在 ~リアルからバーチャルまで~」

つくば01

つくば02

つくば03

(下記、学会発表会の一部をレポートします。記憶はあやふやなところもあるのでご了承ください。)

ヤマカン:
他2名の発表者がパワポで資料作ってきて焦った。今日はトークショウではなく学会発表なんですね(汗)急いで表紙だけパワポで作りました(笑)

(会場笑) 


ヤマカン:
アニメの業界でよく言われる、二次元と三次元の壁。実際そういうのがいまだにある。自身がアイドルファンであり、アニメ監督であるからこのような状況に違和感を感じる。自分なりの研究の結果を言うと、出自の違いなのではないかと。

▼出自の違い・アイドルは親衛隊、「全キャン連」などの学生運動の派生である。

・アニメは内向的、アイドルは活動的。
⇒今ではSNSやネットがあるけど、昔は本当に引きこもり。一人で見るというがデフォ。

職場や学校で数少ない仲間を見つけて語り合う。僕自身がそうでした。

また、アニメオタクはイベンターなどへの嫌悪感がある。僕の友達にもイベンターはいる。イベンターはただ騒ぎたいだけのやつだけだろという拒絶感もある。イベンターはどちらかというと先ほど言ったアイドル、つまり学生運動の派生系だと僕は思う。こういうものの壁を無くしたい。WUGでもファンの反応を見ているとファン同士でもそういうのがあるように感じてる。それを僕は打ち破りたい。

ヤマカン:
これから言うことは口外してほしくない情報なので、あまり外に出さないでください。他作品に触れる話であり、僕の立場もあるので。

わぐそく管理人:
ということでここは一括で省略させていただきます。
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※アイマスとラブライブについては言っても大丈夫な感じだったけど、湾曲して印象操作された記事が悪質ブログに転載されたくないので今回のレポでも伏せます。
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ヤマカン:
例えば、作中のキャラと現実の声優に同じダンスをやらせて繋がること、僕らはこれをハイパーリンクと言ってますが、どうせなら、アニメ内でアイドルがデビューするさまを描いているので、現実の声優も新人を起用して同時にデビューさせちゃえ、と。アニメも声優もドンっとほぼ同時に。この戦略はまだ現在進行形なので、成功したのかどうかはまだ言い切れない。

僕は二次元と三次元の小競り合いというか壁をいつかなくしたい。そのひとつとして、二次元と三次元のキャラを両方同じことをやらせた。分かりやすい例で例えば、これを見てください。アニメキャラクターと声優が同じポーズをしているのがわかりますか?

wug例
wug例2

ヤマカン:
僕はハルヒの激奏イベントを見て、ハイパーリンクを僕は凄く感じたんですよ。これが僕の原体験になってます。その体験が以降の僕の作品に反映されている。それを前面に押し出したのがWUGです。

ちょっとまだ未完成で作画等、一部悪いところがあるのであまり見て欲しくないんですけど…

(パソコン内の最終話リテイク版の7gw部分を流す)

ヤマカン:
最終話、大変でした。本当に間に合わなかったと思った(笑)

(会場笑)

(次に品川ステラボールのイベントを流して比較)

ヤマカン:
わかりますか?アニメのライブの光景と同じ光景が現実でも起きているんです。一部違うんですけど、大体サイリウムが原作通りの緑。コールもアニメ内のものを持ってきてファンが追体験ができているんです。

実際のキャストの稼動(イベント出演等)はアニメ前よりもアニメの後に増やしていきました。これはリスクヘッジのために若干二次元を先行したという形になります。


▼質疑応答

Q、WUGはどういった層に作られているのか?ハイパーリンクは現場に行った人間だけしか楽しめないのではないか。現場に行かず(声優に興味ない層)アニメだけ見てる人たちは楽しめないのではないか。

ヤマカン:
ハイパーリンクが必須事項になっているわけではない。どっちの層に向けても楽しめる作品にはしている。仮想と現実が交わる部分が一番おいしいよということ。

Q、WUGの震災の描写はハイパーリンクしたのか。

ヤマカン:
この企画の発端としては本当に震災がきっかけ。なんとかアニメでコミットできないかと考えたときWUGが浮かんだ。実際に気仙沼の宿を取材した。震災においてはデリケートな問題なので必要最小限に抑えた。参考になったのはあまちゃん。

Q、二次創作のマイナス面。ハイパーリンクをしすぎたせいで同人誌が出しにくい、同人でエロいことをさせると中の声優にエロいことをさせているような背徳感があるのではないか。

ヤマカン:
次のコミケでWUGが少ないのはWUG自体の人気がまだないだけといった感じで軽く考えている。でもリンクしすぎた影響も少しはあるのかもしれない。

司会の人:
女性は男同士の同人、三次元の生ものを書くじゃないですか、でも男性はそれはあまりない。

ヤマカン:
逆にいうと男性もそれぐらいの妄想があってもいいと思う。WUGの中の人(声優)の同人誌、それぐらいたくましい同人作家が出てきてほしいですね(笑) 僕がいうのはおかしいけど、どんどん同人誌作ってください(笑)

シャーク林田、リンゾンについての言及も。

Q、先ほどハイパーリンクの話がでましたが、実際の声優がWUGのキャラに似てきたとかそういうことはあるのか。

ヤマカン:
役の立位置というのは完全に融合するのは無理だとしても、少しづつリアルにも反映されてきた気がする。性格面とか立位置について彼女たち自信でも意識している部分もある。ファンにおいても身近にギャップが埋まっているのは感じている人もいるはずです。例えば、他のアイドルアニメで法被を自作するじゃないですか、その時にキャラ名を入れるのか、声優名を入れるのか、迷う時ってあると思うんです。でも、WUGだとどちらも「あいり」なので、「あいり」と入れればいい。そういった側面からも従来のアイドルアニメと比べると、キャラと声優のギャップが少なくなっている気もします。

Q、あまりにハイパーリンクしすぎると、WUGのキャラ=中の声優とイメージが縛られ、今後の仕事に影響とかは出てくるんじゃないか。

ヤマカン:

既にWUGについては、2名ほどハナヤマタで声優をやってる。これは、WUGが終わって、なんでもいいから作品をやらせてくれ、と即営業をかけた。WUGのイメージに縛られないように、何とか逃げ道を作ってやっている。

Q、アニメオタクではなく、三次元のオタを二次元(WUG)にひっぱってこれたという手応えはあるのか。

ヤマカン:
うーん、ちょっとそれはまだ言い切れない。もしかしたら僕が障害になっているのかも。ヤマカンがやってるから、という理由でいい意味でも悪い意味でも注目されているのは障害になっている。それは僕の自業自得なので、何とかするしかない。

Q、経済に対する感覚について

ヤマカン:
円盤は売れるに越したことはないのだが、常々業界で言われているのは、もう円盤の売り上げだけではくってけねぇよと、グッズ、ソシャゲとかやって様々な面で収益を上げていかなければいけないと。僕はパチンコは嫌いじゃないので、WUGのパチンコ化だってありえる。こういう考えがあるから、ネットで言われているような円盤売上至上主義のようなものはあまり気にしてない、そりゃ売れてくれるに越したことはないけれど(笑)

Q、ビジネス観点からファンからのお金は広く浅く取りたいのか、狭く厚く取りたいのか。

ヤマカン:
そりゃ広く厚くが一番いいです(笑) でも一方でアイドルオタク思考の狭く厚くのお客さんも大事にしていきたいなと思っています。


■他一部ピックアップして

大田さんは声優オタクというよりアイドルオタクをイメージして作った。ファミレス会議について、あれはちょっとギャグなんですけどね(笑)

・みなさん気付いていると思いますが、構図としてはWUGとI-1はAKBを参考にしました。白木を最初は血も涙もない悪者にしようと思ったんです、でもAKBを研究すれば研究するほど深いんです。自然と白木が秋元さんに似てきた部分もあるのかも。事実、ネット上で白木の悪口いう人はいない。これは僕たちも意外でした。(アイドルの心得について)あれはあくまでもブラック企業のように言わせました。よく考えるとあまり間違ったことは言ってるように思えないんですけど。本当に予想以上に白木って叩かれませんでしたね(笑)

・WUGは本筋の物語を作るのに挑戦した。作品自体もおもしろい、さらにそこでカバーしきれなかった部分の想像の幅を広げられると嬉しい。

・WUGを見てアニメに久しぶりにはまりましたという人は結構います。物語の作り方が一昔前なのでおっさんが釣れたのかなとは思っている(笑)作中はスポ根表現が多いですね。島田真夢なんかまさに、漫画、キャプテンを参考にしました

・自分は一応立場上、WUGをプロデュースしているわけじゃないですか、そうなると中の子を推せなくなる。これアイドルじゃねーじゃんと思って作業をやっている。若くてかわいいんですけど、身内のねーちゃん、子供たちになっちゃう。

・アニメの売り上げよりも中の人の売り上げのほうが圧倒的で、立場ねぇなぁと思っている(笑)



ヤマカン:
僕はWUGを解散まで持っていくつもりです。
それで僕も消えようと思う。
ひとつの参考にキャンディーズがある。
僕は何回見てもあの後楽園のコンサートで泣いてしまうんですよね。
人気絶頂のところで終わらす。
だらだら続けるところは頓着しない。
続けさせることよりも解散させることを考える。
WUGが解散した次は(WUGに変わるアイドルを作るのかどうか)・・・考えてません!(断言)



監督とordetスタッフさんにも挨拶してきました。面と向かってお話したのは、正真正銘、この日が初めて。突然の訪問にも対応くださり、ありがとうございました!


本日は某管理人さんにもお会いできたんです!実在したんだなあ!


 
興味深い話を多々聞けて、単純に楽しかったよ!ちょっとつくばまで距離あったんだけど行けてよかったなぁ。

WUGの熱もバッチリ聞き取れた!

ヤマカンの話以外も、バーチャルアイドル(ミク)の話とかアイドル論の話を聞けて、あっという間の4時間で充実した時間を過ごせたよ。今回は長文になってしまうので、他の発表の紹介できないのが残念。

またこういう機会があったら是非聞きに行きたいところ!
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